室内ドアは長い間使っていると建て付けが悪くなり、開閉がうまくできなかったり、開け閉めをするときに音がうるさくなることがあります。また、月日とともに表面が汚れて傷み、お部屋の雰囲気を損なうことも。そのような時期は室内ドアをリフォームを考える頃です。
実際には、ドアのみ取り替える場合より、お部屋全体をリフォームすると同時にドアもリフォームすることが多いです。デザインも新しくなり、お部屋全体がきれいな印象になります。またドアから引き戸に変えることで、暮らしやすくなるケースもあります。
さらに高齢化に備えてリフォームをきっかけにバリアフリーなドアに取り替えるケースも多くなっています。
リフォームの場合、既存の枠に新しい既製品のドアがぴったりはまるケースはほとんどありません。家はそれぞれ多少のゆがみがあったりするので、普通は枠とドアをセットで交換します。その方が枠もきれいになり、サイズも合います。その場合、枠の工事が必要なので、ドア周囲のクロスもはがして工事をするため、ドア交換と同事にクロスの張り替え工事が必要です。また床の工事が伴う場合もあります。
ドア枠が鉄枠などではずすのが大変な場合は、枠のサイズに合わせてオーダーでドアを作ってドアのみ交換することもできます。
既存のドアとほぼ同じ間口のドアをオーダーすることで、お好きなデザインが選べます。また既存よりも高さのあるドアを付けられることもあります。
設置する場所の周囲の開閉スペースが狭い時には、引き戸や折れ戸に変えることで使い勝手がよくなる場合もあります。引き戸にする場合には、「控え壁」のスペースが必要です。
既存のドアと枠の表面に化粧張りフィルムを張る加工方法があります。よく使われるのは「ダイノックシート」と呼ばれるもので、化粧フィルムの一種です。木などの素材に近づけた粘着剤付の印刷化粧フィルムで、色柄は数百種類から選ぶことができます。新品のような表面にすることができます。ドア本体、ドア枠は交換しないので、安く、早くリフォームができます。
既存のドアがひどく傷んでいたり、凹凸が多い場合はできないこともあります。
施工前
ダイノックシート施工後
施工前
玄関収納 ダイノックシート施工後
施工前
廊下収納 ダイノックシート施工後
施工前
玄関収納 ダイノックシート施工後
キッチン収納 ダイノックシート施工例
個室収納 ダイノックシート施工例
施行中
扉には、大きく分けて3種類の戸の形があります。
・開き戸
室内ドアで多く使われている一般的なドアです。引き戸のように周りにドアを引き込むスペースがなくても取り付けることができます。また、閉めた時に密閉性、遮音性が高くリビング入口、個室、トイレなどによく使われます。
ただし、ドアを開閉するスペースが必要なので、ドアの周りに物は置けません。開きの方向についても、ドア同士がぶつからないようにするなど注意も必要です。
・引き戸
引き戸は、開口部を広くとったり、前後に開閉スペースを必要としないので、部屋が広く使えます。また開け放つことができるので、ドアのように風でバタンと閉まってしまったり、ドアが急に開いて近くにいる人にぶつかるようなこともありません。前後が狭いスペースや、車いすが通りやすいバリアフリーの出入口にも向いています。
ただし引き戸を設置するには、戸を引き込む「控え壁」をつけるスペースが必要です。またその部分にはコンセントやスイッチは付けられません。
引き戸は、開き戸と比べて気密性や遮断性が低いですが、バリアフリーなどの機能を重視して個室に使用することが増えています。また、ダイニングとリビングの間仕切り、洗面所と廊下、キッチンと洗面などに向いています
下部にレールで取り付ける「Y戸車引き戸」と、気密性は落ちますが引き戸を吊るように設置する平らな床を維持できる「上吊り引き戸」があります。「戸袋引き込み引き戸」は、戸の納まる場所が壁の中なので、壁がすっきりと見えます。
また、控え壁のいらない「アウトセット納まり引き戸」もあります。違いは、引戸の納まり方で、一般的な引き戸は戸の厚み分一段下がった壁内面を控え壁として取付けるのに対し、アウトセット納まり引き戸は壁外面上レールを取付ける仕様となります。そのため、アウトセット納まり引き戸は、既にドアがある場所にも壁の上から取り付けられるため、開き戸を引き戸に変更するなどのリフォームがしやすくなります。
引き戸の種類
控え壁付き上吊り引き戸
2枚連動片引き
アウトセット納まり引き戸
間仕切り開閉壁
引き戸なら急に戸が開いても安心です。
バリアフリーにも最適
・折れ戸
引き戸をつけるための戸を引き込むスペースを作る場所がなかったり、ドア同士がぶつかってしまうような狭い空間には、よくクローゼットなどで使われる折れ戸が便利です。扉が細く折れるので、前後の開閉スペースが浅くて済みます。
ただし、折れる部分に手をはさみやすいので、子どもなどには注意が必要です
開き戸から引き戸にする場合は、引込みスペースが必要です。前の項でご紹介したアウトセット納まりの引き戸ならば、壁を解体することがないため、比較的簡単に引き戸にリフォームできます。
洗面所の入口は開き戸だったため、開閉スペースが必要でした。
引き戸にリフォームし、洗面所が広く使えるようになりました。
個室やリビングなどに入るドアは、基本的には、廊下側からドアを押して部屋側に開く「内開き」が基本です。廊下側に開くようになっていると(外開き)、急にドアが開いて廊下の人にぶつかる危険がありますし、入る時にも、狭い廊下では、からだをよじらなくてはならない場合もあり、使い勝手が悪いためです。
また内開きならば、ドアを開け放しておくときも、内開きならば、廊下の邪魔になりません。ただし内開きは、室内に円の4分の1の範囲は、ドアが動くので、ものを置くことができません。
・トイレのドア(基本外開き)
トイレは部屋の形にもよりますが、一般的には中が狭いので、廊下側に開く外開きが基本です。内開きにすると、トイレの室内にスリッパが置きづらかったり、中に入ってドアを閉める時にからだをよじらなくてはならなくなります。また万が一、トイレで人が倒れた時に、内開きだとドアが開かず、救出が困難になります。ただし、中からドアを開ける時には、外に人がいないか気をつける必要があります。
また納戸など収納部屋も外開きの方が、ものが入れやすくなります。
クローゼットや押し入れ、戸棚なのの収納の扉を新しくするとお部屋がきれいになります。同じ形の扉を交換するのはもちろんのこと、戸の形を使いやすく換えることができるのもリフォームならではです。
クローゼットでよく使われる折れ戸は、収納の中が大きく見渡せることが長所です。奥行きの浅いスペースにも設置することができます。ただし、折れ戸が開閉するスペースは必要なため、収納近くまでベッドなどの家具は置けません。
その点、引き戸タイプは、開閉スペースはとりません。ただし、2枚引き戸は、半分しか開かないので、収納するものによっては不便です。開口部が3分の2開く3枚連動引き戸は便利です。
開口部の幅の狭いパントリーや廊下の戸棚などでは、両開きの開き戸を使うと見渡しもよく使いやすいです。
折れ戸のクローゼット
3枚連動引き戸
高齢化に伴い、自宅で車いすを使いながら生活をするケースも増えています。実際車いすは、普通の間口では狭くて通過が難しく、また開き戸は、開け閉めするときに体の前後移動が大きくなるため、使いにくく感じられます。それに対して、引き戸は開閉時の体の移動は最小限で済み、手の力が弱い人でも楽に開け閉めできます。そのため、トイレの出入口などは、車椅子でも開閉と出入りがしやすい引き戸にすることでバリアフリー化できます。
上吊りタイプの引き戸にすれば、床にレールがないので、障害になることもありません。また、介助の必要な度合いによって、介助者も室内に入りやすい間口の広さも考える必要があります。
・ドアクローザー
ドアの上部に付けるもので、ドアを油圧により開いたドアを一定の速度で自動的に静かに閉めるためのものです。また、ドアを開けたままにしておきたい場合に扉をある角度まで開いたままの状態で保持する機能を持つものもあります。また子どもの指をはさみ防止にも効果があります。
ダイケン 「エコキャッチ」
・ペットドア
小さなくぐり戸つきのドアで、ペットが自由に行き来できます。
・背の高いハイドア
天井まで高さのあるドアは上の枠がなく、開放感があります。
パナソニックベリティスプラス
「グランハイドア」 高さ2700mm
・ルーバー開き戸
ドアにルーバーがついていて、回転させると、ドアを開けなくても通気ができます。
・ランマ付きドア
窓がひとつしかない部屋にランマ付きドアを付けることで、ドアを開けずに換気ができます。
LIXIL ラシッサ
・チャイルドロック
小さな子どもがドアを開けてしまわないように、上部にロックを付けることもできます。
LIXIL
・遮音機能
ピアノなどの楽器やホームシアターなど大きな音を使う部屋には遮音機能を高めたドアをおすすめします。このドアを付けることで、大きなテレビの音が、日常会話程度の音に軽減されます。
・パナソニック
パナソニックと言えば電化製品メーカーとして知られていますが、住宅建材の分野でも有名な会社です。価格は、多少高めですが、質の良い建材を作っています。
ドアは「ベリティス」というブランドを中心に展開しています。その特徴は、化粧シートで美しい木目と質感を忠実に再現していることです。ほとんど見た目には木製に見えます。色も多彩で、インテリアに合わせて選ぶことができます。サイズはもちろんのこと、窓や取手のアレンジなどオーダーの自由度が高く、理想の建具が製作できます。
その他上級クラスの「ベリティスプラス」、好きな塗装ができるなどカスタマイズできる「ベリティスクラフトレーベル」などのシリーズがあります。
ベリティス
ベリティスクラフトレーベル
・LIXIL
LIXILはトステム・INAX・新日軽・サンウェーブ・TOEXが合併したメーカーです。そのためラインナップが豊富で種類やブランドが多く、価格も比較的安めです。
背の高いハイドアシリーズは「ラフィス」、インテリアに合わせた様々なデザインがある「ラシッサ」、シンプルで低価格な「TA」、和風ドアの「新和風」などのシリーズがあります。
ラフィス
ラシッサ
・WOOD ONE
WOOD ONEは無垢の建具のトップメーカーです。木製のドアは風合いがあり、使い込むほどに味わいが生まれます。他に化粧シート張りのドアのシリーズもあります。
無垢のドアのメインブランドは「ピノアース」、シンプルな厳選したデザインの木製ドアの「ナチュラルセレクション」、化粧シート張りの「ソフトアート」、銘木の風合いのハイクラスの「グランステージ」などのシリーズがあります。
ピノアース
ナチュラルセレクション
当社の工事のケースでは、ドアだけ交換することは少なく、お部屋のリフォームをされた際にドア一式も新しくすることがほとんどです。
ここでは、よくある建具リフォームの例をご紹介します。お住まいの状況により工事の内容は変わるので、建具リフォームをお考えの方は、お気軽にご相談ください。
・建具の工事費用の目安(税別)※状況により変わることもあります。
6畳間の開き戸のドアを枠ごと交換し、お部屋、廊下の一部分のクロスを張り替えた場合
ドア一式交換 約120,000円〜
クロス部分張り替え工事 約46,000円〜
合計 約176,000円〜
洗面所の開き戸のドアをアウトセット引き戸にリフォームし、洗面室、廊下の一部分をクロスを張り替えた場合
引き戸に交換 約120,000円〜
クロス部分張り替え工事 約46,000円〜
合計 約206,000円〜
開き戸のドアと枠をダイノックシートで張り替えた場合
ダイノックシート施工代 約67,000円〜
襖を処分、交換した場合(1間2枚)
15000円×2枚=30,000円〜
襖の張り替え(1間2枚)
3,300円×2枚=6,600円〜
障子を処分、交換した場合(1間2枚)
22,000円×2枚=44,000円〜(木枠)
約120,000円〜(格子入り複層ガラス断熱窓 YKKプラマードU)
障子の張り替え(1間2枚)
3,300円×2枚=6,600円〜
中古マンションを購入して、内装のリフォームをお願いしました。誠実さと私どもの希望を汲み取り、的確なアドバイスいただいたので、グッドスマイルハウスさんに決めました。工事後、見違えるように綺麗になりグッドスマイルハウスさんにお願いして大変満足しています。